粗筋 自暴自棄な暮らしを続ける少年、山本賢治はある日柴咲組組長、柴咲博と出会う。命を救い救われの関係になった山本は、親子盃を受け柴崎組へ。1995年、2005年、2019年と暴対法の締め付けが強まる3時代を背景に、山本賢治の凄絶な生き様が描かれる。
①作品概要と評価点
挑戦的な作品を配給し続ける「スターサンズ」と、日本で一番注目される若手監督藤井道人。日本アカデミー賞を総ナメにした『新聞記者』の黄金コンビが、新たに世に送り出すのが今作『ヤクザと家族 The Family』です。
タイトル一発で分かる通りこれから長文酷評するんで、始めに評価点は述べます。撮影と役者の演技は本当に良いです。
藤井監督は早くからMVで活躍された方だけあって、画づくりが本当に美しい。陰影の濃い歓楽街、冴え冴えとした港町の曙光、恐らくはキタノブルーを意識したであろう照明の色調や衣装のカラーリング、誰も居ない事務所の薄呆けた空気…。どれ1枚を取ってもキマってる。
演技について言えば、賢治役の綾野剛、博役の舘ひろし、翼役の磯村勇斗…など主役級は言うまでもない。けれど、個人的に感心したのが最終章での部屋住み(下っ端)役ですね。或るドキュメンタリー映画を後述しますが、現実の部屋住みはオラついたチンピラではなく、ああした小心翼々タイプが多いらしいのです。今作、取材協力や所作指導がしっかりついていて、それが端役にまで行き届いているのは素晴らしいですね。
②「自業自得」
世評は概ね絶賛ムードなんですが、酷評意見としては「ヤクザは犯罪者なんだから、社会から排斥されて当然でしょ?自業自得じゃん?」というものがあります。
監督はインタビューの中で、「(排除しようとする)社会の残酷さを見せたい」「(人権排除の動きは)今の自分たちにも通じるんじゃないか」と応えている。『新聞記者』の監督なだけに、広い意味での社会メッセージを投げる映画作りなのは頷ける辺りです。均質性を求める空気社会だからこそ、忖度や排除が起きるワケですしね。
でもね、ぼかぁ違う意味で「こいつら自業自得じゃん」って思ったんです。揃いも揃って無能。ド無能。言い換えるなら、この映画ってお仕事映画として本当にヒッドいんですよ!!!!
③ヤクザのお仕事~柴咲組~
本作には大きく分けて3つの勢力が登場します。主人公たちの柴咲組、敵対勢力の侠葉会、翼率いる半グレチームです。その中で、柴咲組は昔気質の任侠団体であり、暴対法の締め付けが強まる中時代の変化に取り残され滅びていきます。王道ですよね、「昔気質」「時代の波」。でもさ、具体的に何してんのさ?
昔気質って言うんだから、花会、テキ屋、手配師、興行、金融、仲裁辺り?港町が舞台だから沖仲仕もあるでしょう。しかし、映画を見る限りでは柴咲会はミカジメ一本のようなのです。
そりゃね、ヤクザ映画=シノギ描写は必須とは言いませんよ?それでも、殊「時代の変化」を扱う場合でも疎かにしたのは悪手だったと思います。理由については後述します。
④ヤクザのお仕事~侠葉会~
一方、侠葉会は令和の時代になっても生き残り続けます。理由は、県警のマル暴とコネを持っていたから。「県警対組織暴力」始め、権勢を傘に着る側が勝つっていうのは腸が煮えくりかえると共に、負けていく側の悲哀も増す魅力的な設定じゃないですか?でも…言うほど侠葉会って悪党ですかね?
「緋牡丹博徒」しかり「3代目襲名」しかり、ヤクザ2派の抗争ってのは悪党側がド汚ェからこそ任侠側の善性が際立つんですよ。嫌がらせに耐えて耐えて、隠忍自重の末相手に最後の一線を越えられて堪忍袋の緒が切れる。だからこそ、殺人という最悪の解決法だとしても観客は「よくぞやった!」と共感できるのです。
それでは今作の第二幕、抗争の発端からヤクザ映画ロジックに則って見て行きます。
平成不況の波も去り、再開発が加速。歓楽街も縮小されることとなり、必然シマ争いは激化する。そんな中、侠葉会若頭の川山は、山本が仕切るキャバクラに山本を呼びつけ「これからはシノギがきつくなるからさ、お前ら歓楽街の南側明け渡せよ。上がりは2割払うからさ」と言います。
ここ、ヤクザ映画的には二重にダメなんすよ。先ず、川山が親切過ぎます。要件のみならず、経緯についてまでご丁寧に教えてくれている。お前…しっかり筋通してるじゃん…。(おまけに、銭湯のテレビ、マル暴の会議シーンで既に状況提示されているのに台詞でペラるのは冗長)。
そして、川山が具体的な嫌がらせしてないんすよ。山本を出張らせるためにキャバクラで暴れて堅気に迷惑かけたとか、嬢をセクハラしたワケでもない。それなのに、山本は親父をバカにされたことでワインボトルで後頭部フルスイングする。しかし川山はやり返しもせず啖呵を切って退散。…頭の良いヤクザや…!
⑤ヤクザのお仕事~山本賢治~
それでは、戦線布告してきた相手の頭をカチ割った主人公は何をするか。女のケツを追い始めるんですね。…そっかー。
確かにね、最終章で家族の幸せを提示するためにキャバ嬢工藤を出す意味はあります。でも例えば、シマ争いの経緯を川山本人からペラらせるのではなく、山本が工藤を使ってそれとなく聞き出す(キャバクラに来る土建屋なり不動産業者なりから)って使い方は出来なかったんですかね?そうすれば山本のヤクザIQも上がるんですが。
組同士のもめごとを自分で作って置きながら、自分では解決に動かず女にしつこくアタックをかけ、おまけに(一切の具体証拠なく)相手にカチコミをかけにいく。…底抜けのアホちゃう?
⑥ヤクザのお仕事~柴咲博~
『アウトレイジ』という映画の面白さは、戦略性にあります。(観客=一般人からすれば奇妙な理屈にせよ、)ヤクザ世界における義理筋目で動き、相手の言質を取るや徹底的な根回しを済ませ、相手に退路を完全に絶った上で潰しにかかる。デフォルメの嫌いはあるにせよ、筋目マウント合戦がロジカルに動いているのです。
一方、柴咲組組長はどう動いたか。(口喧嘩はあったとはいえ)自分の組員が相手に怪我を負わせた以上は、侠葉会に詫びを入れなければいけない。しかしその席で(相手からの挑発はあったとはいえ)手打ちで水に流した過去の因縁を「こちらから持ち出し」交渉を決裂させる。全面戦争ともなればカタギにも迷惑がかかる以上、本家の松桜会なりに仲立ちしてもらい手打ちに持ち込むのが筋。それなのに魚釣りに出かけて闇討ちに遭うって…。
…バカ?
⑦ヤクザのお仕事~令和編~
山本は川山にブッコみ服役。15年を経て出所したら状況は一変していました。暴対法でヤクザは徹底的に排除される社会体制となった。携帯は持てず正業にもつけない、組抜けして5年経つまでは組員と見做される「5年ルール」で地獄を見る…。
パンフにもインタビューでも言及はなかったですが、タイトル然りこの現代編は『ヤクザと憲法』というドキュメンタリー映画から間違いなく大きな影響を受けています。憲法で保障される最低限の権利すら剥奪される、この実情はどうなのか?「ヤクザだから」という括りで終わらせるには余りにも過酷な社会を、劇映画だからこその感情移入で見せてくれる。まあね、泣けるよ。けどさぁ…。
けど、お仕事映画成分がないから、その感動も片手落ちなのです。弊ブログで散々書いてきましたが、「反復と変化」は映画ならではの手法です。確かに、柴咲組事務所の落差、出迎えた組長の憔悴ぶりは良い。でも、シノギの変化(凋落ぶり)が映像で提示できてないんですよ。
20人は居た組員も、今や5人。歓楽街のシマは侠葉会に良いようにされ、密猟やシャブ売りで月100万ぽっちを何とか絞り出す有様。15年前は漢の鑑だった若頭中村も落ちぶれている…。んだけど、比較対象となる風景が全盛期にないから、落差になりようがない。
夜の海で密猟し漁協パトロールから逃げ出すシーンがあるのなら、15年前は漁師を使う立場だったと示すとか。シャブを売るシーンがあるのなら、15年前は売人をシマから断固叩き出す画を前に出しておくとか。
そしてその過程で、賢治が父親として博を、兄として中村を仰ぎ漢を磨き家族になっていくモンタージュが欲しかった。たとえ法律に背くとも、ヤクザなりに汗水垂らして天に恥じぬ生き方があったと見せるからこそ、人並みすら許されぬ惨めさに悲哀や憤りが生まれるのでは?
カタギ希望「山本賢治」は兎も角、柴崎組「ケン坊」として観ると、実はそんな泣けない構成じゃないですか?
⑧結びに
昨年、『新聞記者』を大酷評しました。
https://magiclazy.diarynote.jp/202004070128144710/
お仕事映画としてのリアリティー、ディティールが余りに拙劣だと。今作も全く同じ状況です。ジャンル映画要素よりも、人間の心情を描くのを強く志向する作家なので仕方ないところでしょうが。
それでは最後に、僕のお勧めを紹介します。白石和彌監督のアウトロー作品群ですね!ディティールが豊富な御蔭で、成り上がっていく過程にワクワクし、歯車が狂いだしてからはハラハラ出来る。
悪党の気高い精神が次世代に継承されるラストは今作と「孤狼の血」は共通してますが、ジャンル映画としてのキレはやっぱ違いますよ!次回作「孤狼の血 LEVEL2」は今年8月公開予定!
そんな4千字評でした。「新聞記者」より出来は格段に良いし、「ヤクザと憲法」に唸らされた人間としてはこの方向性は多いにあり。でも「~ジャンルのガワだけ借りた」って作りにどうしてもカチンと来るんだろうな。やっぱこの監督が嫌いなんだ。
①作品概要と評価点
挑戦的な作品を配給し続ける「スターサンズ」と、日本で一番注目される若手監督藤井道人。日本アカデミー賞を総ナメにした『新聞記者』の黄金コンビが、新たに世に送り出すのが今作『ヤクザと家族 The Family』です。
タイトル一発で分かる通りこれから長文酷評するんで、始めに評価点は述べます。撮影と役者の演技は本当に良いです。
藤井監督は早くからMVで活躍された方だけあって、画づくりが本当に美しい。陰影の濃い歓楽街、冴え冴えとした港町の曙光、恐らくはキタノブルーを意識したであろう照明の色調や衣装のカラーリング、誰も居ない事務所の薄呆けた空気…。どれ1枚を取ってもキマってる。
演技について言えば、賢治役の綾野剛、博役の舘ひろし、翼役の磯村勇斗…など主役級は言うまでもない。けれど、個人的に感心したのが最終章での部屋住み(下っ端)役ですね。或るドキュメンタリー映画を後述しますが、現実の部屋住みはオラついたチンピラではなく、ああした小心翼々タイプが多いらしいのです。今作、取材協力や所作指導がしっかりついていて、それが端役にまで行き届いているのは素晴らしいですね。
②「自業自得」
世評は概ね絶賛ムードなんですが、酷評意見としては「ヤクザは犯罪者なんだから、社会から排斥されて当然でしょ?自業自得じゃん?」というものがあります。
監督はインタビューの中で、「(排除しようとする)社会の残酷さを見せたい」「(人権排除の動きは)今の自分たちにも通じるんじゃないか」と応えている。『新聞記者』の監督なだけに、広い意味での社会メッセージを投げる映画作りなのは頷ける辺りです。均質性を求める空気社会だからこそ、忖度や排除が起きるワケですしね。
でもね、ぼかぁ違う意味で「こいつら自業自得じゃん」って思ったんです。揃いも揃って無能。ド無能。言い換えるなら、この映画ってお仕事映画として本当にヒッドいんですよ!!!!
③ヤクザのお仕事~柴咲組~
本作には大きく分けて3つの勢力が登場します。主人公たちの柴咲組、敵対勢力の侠葉会、翼率いる半グレチームです。その中で、柴咲組は昔気質の任侠団体であり、暴対法の締め付けが強まる中時代の変化に取り残され滅びていきます。王道ですよね、「昔気質」「時代の波」。でもさ、具体的に何してんのさ?
昔気質って言うんだから、花会、テキ屋、手配師、興行、金融、仲裁辺り?港町が舞台だから沖仲仕もあるでしょう。しかし、映画を見る限りでは柴咲会はミカジメ一本のようなのです。
そりゃね、ヤクザ映画=シノギ描写は必須とは言いませんよ?それでも、殊「時代の変化」を扱う場合でも疎かにしたのは悪手だったと思います。理由については後述します。
④ヤクザのお仕事~侠葉会~
一方、侠葉会は令和の時代になっても生き残り続けます。理由は、県警のマル暴とコネを持っていたから。「県警対組織暴力」始め、権勢を傘に着る側が勝つっていうのは腸が煮えくりかえると共に、負けていく側の悲哀も増す魅力的な設定じゃないですか?でも…言うほど侠葉会って悪党ですかね?
「緋牡丹博徒」しかり「3代目襲名」しかり、ヤクザ2派の抗争ってのは悪党側がド汚ェからこそ任侠側の善性が際立つんですよ。嫌がらせに耐えて耐えて、隠忍自重の末相手に最後の一線を越えられて堪忍袋の緒が切れる。だからこそ、殺人という最悪の解決法だとしても観客は「よくぞやった!」と共感できるのです。
それでは今作の第二幕、抗争の発端からヤクザ映画ロジックに則って見て行きます。
平成不況の波も去り、再開発が加速。歓楽街も縮小されることとなり、必然シマ争いは激化する。そんな中、侠葉会若頭の川山は、山本が仕切るキャバクラに山本を呼びつけ「これからはシノギがきつくなるからさ、お前ら歓楽街の南側明け渡せよ。上がりは2割払うからさ」と言います。
ここ、ヤクザ映画的には二重にダメなんすよ。先ず、川山が親切過ぎます。要件のみならず、経緯についてまでご丁寧に教えてくれている。お前…しっかり筋通してるじゃん…。(おまけに、銭湯のテレビ、マル暴の会議シーンで既に状況提示されているのに台詞でペラるのは冗長)。
そして、川山が具体的な嫌がらせしてないんすよ。山本を出張らせるためにキャバクラで暴れて堅気に迷惑かけたとか、嬢をセクハラしたワケでもない。それなのに、山本は親父をバカにされたことでワインボトルで後頭部フルスイングする。しかし川山はやり返しもせず啖呵を切って退散。…頭の良いヤクザや…!
⑤ヤクザのお仕事~山本賢治~
それでは、戦線布告してきた相手の頭をカチ割った主人公は何をするか。女のケツを追い始めるんですね。…そっかー。
確かにね、最終章で家族の幸せを提示するためにキャバ嬢工藤を出す意味はあります。でも例えば、シマ争いの経緯を川山本人からペラらせるのではなく、山本が工藤を使ってそれとなく聞き出す(キャバクラに来る土建屋なり不動産業者なりから)って使い方は出来なかったんですかね?そうすれば山本のヤクザIQも上がるんですが。
組同士のもめごとを自分で作って置きながら、自分では解決に動かず女にしつこくアタックをかけ、おまけに(一切の具体証拠なく)相手にカチコミをかけにいく。…底抜けのアホちゃう?
⑥ヤクザのお仕事~柴咲博~
『アウトレイジ』という映画の面白さは、戦略性にあります。(観客=一般人からすれば奇妙な理屈にせよ、)ヤクザ世界における義理筋目で動き、相手の言質を取るや徹底的な根回しを済ませ、相手に退路を完全に絶った上で潰しにかかる。デフォルメの嫌いはあるにせよ、筋目マウント合戦がロジカルに動いているのです。
一方、柴咲組組長はどう動いたか。(口喧嘩はあったとはいえ)自分の組員が相手に怪我を負わせた以上は、侠葉会に詫びを入れなければいけない。しかしその席で(相手からの挑発はあったとはいえ)手打ちで水に流した過去の因縁を「こちらから持ち出し」交渉を決裂させる。全面戦争ともなればカタギにも迷惑がかかる以上、本家の松桜会なりに仲立ちしてもらい手打ちに持ち込むのが筋。それなのに魚釣りに出かけて闇討ちに遭うって…。
…バカ?
⑦ヤクザのお仕事~令和編~
山本は川山にブッコみ服役。15年を経て出所したら状況は一変していました。暴対法でヤクザは徹底的に排除される社会体制となった。携帯は持てず正業にもつけない、組抜けして5年経つまでは組員と見做される「5年ルール」で地獄を見る…。
パンフにもインタビューでも言及はなかったですが、タイトル然りこの現代編は『ヤクザと憲法』というドキュメンタリー映画から間違いなく大きな影響を受けています。憲法で保障される最低限の権利すら剥奪される、この実情はどうなのか?「ヤクザだから」という括りで終わらせるには余りにも過酷な社会を、劇映画だからこその感情移入で見せてくれる。まあね、泣けるよ。けどさぁ…。
けど、お仕事映画成分がないから、その感動も片手落ちなのです。弊ブログで散々書いてきましたが、「反復と変化」は映画ならではの手法です。確かに、柴咲組事務所の落差、出迎えた組長の憔悴ぶりは良い。でも、シノギの変化(凋落ぶり)が映像で提示できてないんですよ。
20人は居た組員も、今や5人。歓楽街のシマは侠葉会に良いようにされ、密猟やシャブ売りで月100万ぽっちを何とか絞り出す有様。15年前は漢の鑑だった若頭中村も落ちぶれている…。んだけど、比較対象となる風景が全盛期にないから、落差になりようがない。
夜の海で密猟し漁協パトロールから逃げ出すシーンがあるのなら、15年前は漁師を使う立場だったと示すとか。シャブを売るシーンがあるのなら、15年前は売人をシマから断固叩き出す画を前に出しておくとか。
そしてその過程で、賢治が父親として博を、兄として中村を仰ぎ漢を磨き家族になっていくモンタージュが欲しかった。たとえ法律に背くとも、ヤクザなりに汗水垂らして天に恥じぬ生き方があったと見せるからこそ、人並みすら許されぬ惨めさに悲哀や憤りが生まれるのでは?
カタギ希望「山本賢治」は兎も角、柴崎組「ケン坊」として観ると、実はそんな泣けない構成じゃないですか?
⑧結びに
昨年、『新聞記者』を大酷評しました。
https://magiclazy.diarynote.jp/202004070128144710/
お仕事映画としてのリアリティー、ディティールが余りに拙劣だと。今作も全く同じ状況です。ジャンル映画要素よりも、人間の心情を描くのを強く志向する作家なので仕方ないところでしょうが。
それでは最後に、僕のお勧めを紹介します。白石和彌監督のアウトロー作品群ですね!ディティールが豊富な御蔭で、成り上がっていく過程にワクワクし、歯車が狂いだしてからはハラハラ出来る。
悪党の気高い精神が次世代に継承されるラストは今作と「孤狼の血」は共通してますが、ジャンル映画としてのキレはやっぱ違いますよ!次回作「孤狼の血 LEVEL2」は今年8月公開予定!
そんな4千字評でした。「新聞記者」より出来は格段に良いし、「ヤクザと憲法」に唸らされた人間としてはこの方向性は多いにあり。でも「~ジャンルのガワだけ借りた」って作りにどうしてもカチンと来るんだろうな。やっぱこの監督が嫌いなんだ。
コメント
藤井監督は良くも悪くも抽象度が高い作品にする作家なのかなと。前作『宇宙でいちばんあかるい屋根』は普通に楽しんで観れました。