Twisted Color Pie キューブ 環境考察
2016年11月24日コメント (2) プラス収支で安定してきたので今月いっぱいまでMOで開かれているキューブについての考察。
http://magic.wizards.com/en/MTGO/articles/archive/magic-online/you-make-cube-voting-2016-10-17#option3
①環境概括
レガシーキューブ、レジェンダリーキューブ、年末年始のヴィンテージキューブとキューブは数あれど、各色に割り振られた役割は皆同じでした。表題のtwisted color pieからわかる通り、このキューブはそのマンネリを克服するというのがテーマになっています。
環境の速度は遅いです。しかしその遅さは除去・妨害カードの強さというよりは「単純にカードパワーが低い」ことに根差しています。アドバンテージの基点になるPW、PWを高速で叩き付けるためのマナ加速が少ないためにグッドスタッフは成立しにくく、今までのキューブ以上にアーキタイプを意識してドラフトする必要があります。
②各色の役割
・白
従来はウィニーか全除去か、と両極端な役割が与えられていましたが、今キューブでは
ライフゲイン、エンチャント、プリズンの3つが与えられています。とはいえライフゲインはアドが取れず除去に弱い上に要求構築水準が高いのでアーキとして成立していません。
・青
従来はカウンターとドローの色ですが、今回はアグロ、テンポ、ウィザードといった攻撃的な役割を与えられています。カウンター呪文は健在ですが、確定カウンターではなくマナ要求をするカウンターが多いため、ランデス土地の優先度は極めて高いです。露天鉱床より優先するカードは頭蓋骨絞めしかないと思います。
・黒
テーマは妨害生物と墓地利用なので、このカラーだけはいつもの色と同じ役割です。とはいえ墓地利用と言っても、「リアニしてマナを踏み倒す」のではなく「死亡時誘発能力を墓地から何度も戻る生物で使いまわす」という方向なのでコンボというよりはアグロに近いです。
・赤
小型生物と本体火力はごっそりなくなり、その代わりに全除去とアーティファクトが与えられています。特に本来なら白や黒も持っていた全除去カードは赤1色に限定されているため、競争率はかなり高いカラーです。隠れテーマのゴブリンは稲妻作り士、クレンコの2枚が強力。
・緑
緑のアイデンティティーであったマナ加速は全て失われ、トークンという役割が与えられました。小型生物、バットリとアンプレイアブルなカードが多いため、最弱カラーです。隠れテーマのエンチャント除去は緑にのみ与えられたものであり汎用性も高いのでそれらのカードは積極的に集めましょう。
③各2色組み合わせの順位付け
A:おすすめ2色
・ボロス
個人的には最高のカラーです。白の各リアニスペル、赤のアーティファクト参照カードは他のアーキでは通用しにくいためダダ流れで、マナを大きく踏み倒すことが出来るのはリアニだけなので奇麗に組めた時の強さはけた違いです。また大してリアニに寄せられなくとも、全除去とPWさえ取れていればビート系全般に強いので要求水準が高くないのも素晴らしい。
・ラクドス
除去カードと除去耐性のある生物で固められるので受けが広い。死亡誘発という特殊なアドバンテージ源を持っているため、他のデッキでは先ず勝てない状況でもなんやかんや勝ててしまう、というのはこのアーキだけ。
・グルール
製作者曰くこの2色のアーキはトークンらしいですが違います。グルールはチャンドラ3種、ガラク3種、ゼナゴスと初手級のPWがそろった唯一のカラーコンビネーション、正しくは「PWグッドスタッフ」です。きちんと組めたコンボには勝てませんが凡デッキには先ず勝てます。
B:そこそこ2色
・セレズニア
オーラデッキ。緑の生物にオーラを付けるクソオーラ戦略か、プリズンカードで時間稼ぎをしてニクスの星原や空位の玉座の印章で蓋をするコントロール戦略かの二つに分かれます。まともな呪禁生物がいないのでオーラ戦略はアーキとして成立し辛く、コントロール戦略もアドの創出速度が遅いため「殴る必要のない」黒の死亡時ドレイン、赤の本体ダメージ置物といったシステムカードに相性悪いのが問題。
・ゴルガリ
場と墓地を行ったり来たりさせる墓地利用アーキそのままでは、パーフォロス・赤包囲の不在、赤のマナ効率のいい除去がない分ラクドスの完全下位互換になってしまいます。適者生存、獣相のシャーマンなどのサーチ+墓地落としのあるカラーなので、白のリアニスペルをタッチしてアブザンリアニ方向を目指すのが良いでしょう。
・イゼット
ティム。生物デッキには強いものの、コントロールのボロス、特殊なシステムを持つセレズニア、ゴルガリに弱い。
C:残念二色
・アゾリウス
プリズンでマナを縛りカウンターで援護しながら飛行生物で殴る…と書くと強そうですが、とにかくアド源がなくニコイチ取るぼんやりしたカードが積まれたぼんやりミッドレンジに勝てないのが悲しい。除去が少ないが故にティムが生存すると直ぐに積むのは欠陥。
・ディミーア
シナジーやアーキと呼べるものがないので、この2色を選ぶ理由がない。最弱。
・オルゾフ
リアニというアーキはあるものの、全除去やPWといった「組めなかったときの受け」がないのでボロスの下位互換です。
・シミック
作者曰くテーマはセルフライブラリーアウトらしいですが、要求構築水準の高さと強さが全く見合っていないので、緑のトークンカードをオドリック、煙突、対立、からみつく鉄線で支援するロックの方が現実的です。ティムが致命的なので、青緑を組む際は赤を触ることを頭に置いておくと良いでしょう。
以上です。よきリミテライフを。
http://magic.wizards.com/en/MTGO/articles/archive/magic-online/you-make-cube-voting-2016-10-17#option3
①環境概括
レガシーキューブ、レジェンダリーキューブ、年末年始のヴィンテージキューブとキューブは数あれど、各色に割り振られた役割は皆同じでした。表題のtwisted color pieからわかる通り、このキューブはそのマンネリを克服するというのがテーマになっています。
環境の速度は遅いです。しかしその遅さは除去・妨害カードの強さというよりは「単純にカードパワーが低い」ことに根差しています。アドバンテージの基点になるPW、PWを高速で叩き付けるためのマナ加速が少ないためにグッドスタッフは成立しにくく、今までのキューブ以上にアーキタイプを意識してドラフトする必要があります。
②各色の役割
・白
従来はウィニーか全除去か、と両極端な役割が与えられていましたが、今キューブでは
ライフゲイン、エンチャント、プリズンの3つが与えられています。とはいえライフゲインはアドが取れず除去に弱い上に要求構築水準が高いのでアーキとして成立していません。
・青
従来はカウンターとドローの色ですが、今回はアグロ、テンポ、ウィザードといった攻撃的な役割を与えられています。カウンター呪文は健在ですが、確定カウンターではなくマナ要求をするカウンターが多いため、ランデス土地の優先度は極めて高いです。露天鉱床より優先するカードは頭蓋骨絞めしかないと思います。
・黒
テーマは妨害生物と墓地利用なので、このカラーだけはいつもの色と同じ役割です。とはいえ墓地利用と言っても、「リアニしてマナを踏み倒す」のではなく「死亡時誘発能力を墓地から何度も戻る生物で使いまわす」という方向なのでコンボというよりはアグロに近いです。
・赤
小型生物と本体火力はごっそりなくなり、その代わりに全除去とアーティファクトが与えられています。特に本来なら白や黒も持っていた全除去カードは赤1色に限定されているため、競争率はかなり高いカラーです。隠れテーマのゴブリンは稲妻作り士、クレンコの2枚が強力。
・緑
緑のアイデンティティーであったマナ加速は全て失われ、トークンという役割が与えられました。小型生物、バットリとアンプレイアブルなカードが多いため、最弱カラーです。隠れテーマのエンチャント除去は緑にのみ与えられたものであり汎用性も高いのでそれらのカードは積極的に集めましょう。
③各2色組み合わせの順位付け
A:おすすめ2色
・ボロス
個人的には最高のカラーです。白の各リアニスペル、赤のアーティファクト参照カードは他のアーキでは通用しにくいためダダ流れで、マナを大きく踏み倒すことが出来るのはリアニだけなので奇麗に組めた時の強さはけた違いです。また大してリアニに寄せられなくとも、全除去とPWさえ取れていればビート系全般に強いので要求水準が高くないのも素晴らしい。
・ラクドス
除去カードと除去耐性のある生物で固められるので受けが広い。死亡誘発という特殊なアドバンテージ源を持っているため、他のデッキでは先ず勝てない状況でもなんやかんや勝ててしまう、というのはこのアーキだけ。
・グルール
製作者曰くこの2色のアーキはトークンらしいですが違います。グルールはチャンドラ3種、ガラク3種、ゼナゴスと初手級のPWがそろった唯一のカラーコンビネーション、正しくは「PWグッドスタッフ」です。きちんと組めたコンボには勝てませんが凡デッキには先ず勝てます。
B:そこそこ2色
・セレズニア
オーラデッキ。緑の生物にオーラを付けるクソオーラ戦略か、プリズンカードで時間稼ぎをしてニクスの星原や空位の玉座の印章で蓋をするコントロール戦略かの二つに分かれます。まともな呪禁生物がいないのでオーラ戦略はアーキとして成立し辛く、コントロール戦略もアドの創出速度が遅いため「殴る必要のない」黒の死亡時ドレイン、赤の本体ダメージ置物といったシステムカードに相性悪いのが問題。
・ゴルガリ
場と墓地を行ったり来たりさせる墓地利用アーキそのままでは、パーフォロス・赤包囲の不在、赤のマナ効率のいい除去がない分ラクドスの完全下位互換になってしまいます。適者生存、獣相のシャーマンなどのサーチ+墓地落としのあるカラーなので、白のリアニスペルをタッチしてアブザンリアニ方向を目指すのが良いでしょう。
・イゼット
ティム。生物デッキには強いものの、コントロールのボロス、特殊なシステムを持つセレズニア、ゴルガリに弱い。
C:残念二色
・アゾリウス
プリズンでマナを縛りカウンターで援護しながら飛行生物で殴る…と書くと強そうですが、とにかくアド源がなくニコイチ取るぼんやりしたカードが積まれたぼんやりミッドレンジに勝てないのが悲しい。除去が少ないが故にティムが生存すると直ぐに積むのは欠陥。
・ディミーア
シナジーやアーキと呼べるものがないので、この2色を選ぶ理由がない。最弱。
・オルゾフ
リアニというアーキはあるものの、全除去やPWといった「組めなかったときの受け」がないのでボロスの下位互換です。
・シミック
作者曰くテーマはセルフライブラリーアウトらしいですが、要求構築水準の高さと強さが全く見合っていないので、緑のトークンカードをオドリック、煙突、対立、からみつく鉄線で支援するロックの方が現実的です。ティムが致命的なので、青緑を組む際は赤を触ることを頭に置いておくと良いでしょう。
以上です。よきリミテライフを。
コメント
あと3色はやっぱ完成度低くなって相対的に弱いですかね?
3色に関しては印鑑タリスマン系の加速とマナサポを兼用するカードがなくなって色がきつくなったこと、PWのような高カードパワーのカードがなくなったことで行くメリットが減ったように思います。とはいえなだれ乗り、月、緑命令のような多色化を咎めるカードも今回のキューブにないのでゼナゴスとかニコルは触り得とも思います。