2016年映画振り返り ベスト編
2016年12月31日10位 君の名は。
http://magiclazy.diarynote.jp/201609150008118068/
細けェことはいいんですよ。隕石落下のシーンが「まるで、夢の景色のように。 ただひたすらに、美しい眺めだった」んですから。
9位 ファインディングドリー
http://magiclazy.diarynote.jp/201610102344272895/
聲の形と同じく見る人によって評価は違う作品。
8位 クリーピー
バッチバチに狂った内容ながらも、それを年齢制限かけずに通すという黒沢清監督の職人芸。「シャブ中で正気を失った女を、その娘の女子高生の手で殺させた挙句死体を真空パック詰めにして床下に転がす」という箇所を聞いただけでもわかるはず。
とはいえ年齢制限をかけるべきという話ではなく、寧ろ若い人に見られるべきように思う。殴られるような映画体験は幸福。
7位 ザ・ギフト
クリーピーと同じ隣人イントルードホラーながら、あちらが正攻法の「隣人の狂気がエスカレートする」様を描いた作品ならば、こちらはエスカレートするのは隣人ではなく味方の方、というツイストが効いていてミステリーの色合いが濃い。
オチは復讐に近い形ながら、決して勝利に高笑いするものではなく共感への祈りが見える辺りも日陰者クラン所属者としては評価が高い。
6位 残穢
ほん呪の中村監督だけあって、懐かしき「実話怪談」のテイストが充溢した仕上がりになっている。すっかりおどかし系、モンスター系になったJホラーの中で稀な本当に怖いホラー。
ただ残念なことに、原作小説にあったメタフィクション性(穢れがページを超えて読者に感染することを思えば「パラフィクション?」)がラストにきれいなオチをつけたが故に損なわれてしまった。百物語然り、緊張の高まりが発散されないからこそ人は幽霊をそこに見るのだから、制作側のみならず配給、興行含めて何かしかの仕掛けがほしかった。
5位 サウルの息子
或るユダヤ人哲学者はナチスのホロコーストの本質は「従事者の思考を停止させ、被害者たちを無価値化させる」ことと説いた。彼女を扱った映画ではそのことは言葉で説明されたが、サウルの息子は映像のみ、しかも冒頭5分のガス室のシーンだけで観る者に理解させてくれる。
4位 ズートピア
ミステリー、バディーもの、パロディー、社会風刺と角色々な要素がありながらそのどれもが水準が高い。イイことメッセージを物語に封入するのは簡単だが、それを抹香臭い台詞に入れるのではなくアクションの連続の中に入れるのはさすがディズニー。去年のインサイドアウトに並ぶ傑作。
3位 FAKE
ドキュメンタリーは真実を映す鏡と形容されることがあるが、ドキュメンタリー映画の大家、森達也は「ドキュメンタリーはどうしようもなく主観的で、であるが故に人を傷つけるもの」だと言う(書籍で言えば「映画靖国を巡る大激論」を参照)。それが遺憾なく示されたのが今作「FAKE」だ。
ゴーストライター問題で2014年大バッシングを受けた佐村内守を扱ったのこの映画だ。文春をはじめとした各メディアによって作られたペテン師のレッテルは映画が始まって30分も経つ頃には消える。音が全く聞こえないのではなく意味を成すものとして受け取れない感音性難聴であるとの診断、未だに食い物にしようとするテレビスタッフ、文春記者や共作者の品性の下劣さ。周りの無理解に苦悩する佐村内守に観客は否応なく同調していく。そしてラスト13分。事件後離れていた音楽に向き合い、彼は新たな楽曲を作曲する。エンドロールではその楽曲の自動演奏が聞こえる。その荘厳な調べに観客は確信する。これは本物だ。彼は本物だと。
だが本当に素晴らしいのはラスト1分だ。森達也は佐村内に問う。あなたは私に隠していることはないですよね。佐村内は無言のまま映画は終わる。この間が素晴らしい。ひょっとしたら佐村内は「いやー実はあれも盗作なんですよ」と言い出すかもしれない。そんな危うさに、はっと目が醒めるのだ。詰まるところ、このドキュメンタリーは真実ではない。マスコミの報道と同じく、「FAKE」の佐村内像も虚像に過ぎないのだという自覚。タイトルが”authentic”ではなく”fake”である理由はここにあるように思う。映画の怖さを思い知らされた一作。
2位 この世界の片隅に
http://magiclazy.diarynote.jp/201611280100386056/
贔屓目抜きにすれば文句なし一位。
1位 シンゴジラ
http://magiclazy.diarynote.jp/201608010151132865/
それでも私のベストはシンゴジラ。
2016年も豊作でした。来年の映画も楽しみですね!
鋼の錬金術師 実写映画公開!
銀魂 実写映画公開!
ジョジョの奇妙な冒険第4部 実写映画公開!
…楽しみですね!!
http://magiclazy.diarynote.jp/201609150008118068/
細けェことはいいんですよ。隕石落下のシーンが「まるで、夢の景色のように。 ただひたすらに、美しい眺めだった」んですから。
9位 ファインディングドリー
http://magiclazy.diarynote.jp/201610102344272895/
聲の形と同じく見る人によって評価は違う作品。
8位 クリーピー
バッチバチに狂った内容ながらも、それを年齢制限かけずに通すという黒沢清監督の職人芸。「シャブ中で正気を失った女を、その娘の女子高生の手で殺させた挙句死体を真空パック詰めにして床下に転がす」という箇所を聞いただけでもわかるはず。
とはいえ年齢制限をかけるべきという話ではなく、寧ろ若い人に見られるべきように思う。殴られるような映画体験は幸福。
7位 ザ・ギフト
クリーピーと同じ隣人イントルードホラーながら、あちらが正攻法の「隣人の狂気がエスカレートする」様を描いた作品ならば、こちらはエスカレートするのは隣人ではなく味方の方、というツイストが効いていてミステリーの色合いが濃い。
オチは復讐に近い形ながら、決して勝利に高笑いするものではなく共感への祈りが見える辺りも日陰者クラン所属者としては評価が高い。
6位 残穢
ほん呪の中村監督だけあって、懐かしき「実話怪談」のテイストが充溢した仕上がりになっている。すっかりおどかし系、モンスター系になったJホラーの中で稀な本当に怖いホラー。
ただ残念なことに、原作小説にあったメタフィクション性(穢れがページを超えて読者に感染することを思えば「パラフィクション?」)がラストにきれいなオチをつけたが故に損なわれてしまった。百物語然り、緊張の高まりが発散されないからこそ人は幽霊をそこに見るのだから、制作側のみならず配給、興行含めて何かしかの仕掛けがほしかった。
5位 サウルの息子
或るユダヤ人哲学者はナチスのホロコーストの本質は「従事者の思考を停止させ、被害者たちを無価値化させる」ことと説いた。彼女を扱った映画ではそのことは言葉で説明されたが、サウルの息子は映像のみ、しかも冒頭5分のガス室のシーンだけで観る者に理解させてくれる。
4位 ズートピア
ミステリー、バディーもの、パロディー、社会風刺と角色々な要素がありながらそのどれもが水準が高い。イイことメッセージを物語に封入するのは簡単だが、それを抹香臭い台詞に入れるのではなくアクションの連続の中に入れるのはさすがディズニー。去年のインサイドアウトに並ぶ傑作。
3位 FAKE
ドキュメンタリーは真実を映す鏡と形容されることがあるが、ドキュメンタリー映画の大家、森達也は「ドキュメンタリーはどうしようもなく主観的で、であるが故に人を傷つけるもの」だと言う(書籍で言えば「映画靖国を巡る大激論」を参照)。それが遺憾なく示されたのが今作「FAKE」だ。
ゴーストライター問題で2014年大バッシングを受けた佐村内守を扱ったのこの映画だ。文春をはじめとした各メディアによって作られたペテン師のレッテルは映画が始まって30分も経つ頃には消える。音が全く聞こえないのではなく意味を成すものとして受け取れない感音性難聴であるとの診断、未だに食い物にしようとするテレビスタッフ、文春記者や共作者の品性の下劣さ。周りの無理解に苦悩する佐村内守に観客は否応なく同調していく。そしてラスト13分。事件後離れていた音楽に向き合い、彼は新たな楽曲を作曲する。エンドロールではその楽曲の自動演奏が聞こえる。その荘厳な調べに観客は確信する。これは本物だ。彼は本物だと。
だが本当に素晴らしいのはラスト1分だ。森達也は佐村内に問う。あなたは私に隠していることはないですよね。佐村内は無言のまま映画は終わる。この間が素晴らしい。ひょっとしたら佐村内は「いやー実はあれも盗作なんですよ」と言い出すかもしれない。そんな危うさに、はっと目が醒めるのだ。詰まるところ、このドキュメンタリーは真実ではない。マスコミの報道と同じく、「FAKE」の佐村内像も虚像に過ぎないのだという自覚。タイトルが”authentic”ではなく”fake”である理由はここにあるように思う。映画の怖さを思い知らされた一作。
2位 この世界の片隅に
http://magiclazy.diarynote.jp/201611280100386056/
贔屓目抜きにすれば文句なし一位。
1位 シンゴジラ
http://magiclazy.diarynote.jp/201608010151132865/
それでも私のベストはシンゴジラ。
2016年も豊作でした。来年の映画も楽しみですね!
鋼の錬金術師 実写映画公開!
銀魂 実写映画公開!
ジョジョの奇妙な冒険第4部 実写映画公開!
…楽しみですね!!
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