SCG Columbusに見る霊気紛争環境初期のメタゲーム
SCG Columbusに見る霊気紛争環境初期のメタゲーム
SCG Columbusに見る霊気紛争環境初期のメタゲーム
※長文読む気の起きない人は右に並べたグラフだけでもご覧ください。30秒でメタが分かります。

http://www.starcitygames.com/events/210117_columbus.html
①基礎データ
A.トップ64のデッキ分布
・ジェスカイサヒーリ(コントロール型、パンハモニコン型、サイド後コンボ投入型):14
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=111041
・4Cサヒーリ(ミッドレンジ型、霊気池ハイブリット型):12
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=111012
・緑白PWミッドレンジ:8
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=111029
・黒緑+1カウンターアグロ:6
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=110996
・多色機体(マルドゥ、4C含む):6
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=111021
・グリクシス現出:3
・青黒コン:2
・エスパーアグロ:2
・エネルギーアグロ(赤緑、ジャンド):2
・ティムール霊気池、白赤人間、バントエルドラージ、青白スピリット、黒緑高揚コン、黒赤ゾンビ、青赤コン、白黒ミッドレンジ:1

B:トップ64アーキタイプ分布
コンボ(ジェスカイサヒーリ、4Cサヒーリ、霊気池):26
ビートダウン:33
コントロール:5

C:霊気紛争採用枚数トップ10
《守護フェリダー/Felidar Guardian》:98
《ショック/Shock》:93
《キランの真意号/Heart of Kiran》:65
《歩行バリスタ/Walking Ballista》:54
《不許可/Disallow》:51
《致命的な一押し/Fatal Push》:48
《ならず者の精製屋/Rogue Refiner》:44
《ピーマの改革派、リシュカー/Rishkar, Peema Renegade》:42
《巻きつき蛇/Winding Constrictor》:28
《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester》:22


②発売初週の勝者はサヒーリコンボ 

 優勝こそ黒緑アグロが制したとはいえ、今回のSCGの勝者は《サヒーリ・ライ/Saheeli Rai》+《守護フェリダー/Felidar Guardian》の無限コンボだったことは誰の目にも明らかでしょう。「環境初期はメタの形が見えないがゆえにコントロールは勝てない」というジンクスを乗り越え、コンボ搭載型のジェスカイコントロールが最大多数を占めました。2種のコンボを合わせ40%を超えているのは驚き。発売以前から話題だったからこそ、どのデッキもコンボを意識した筈。サヒーリコンボは何故、メタの上から勝つことが出来たのでしょうか。


③コンボ対策を見据えたカード選択

 トップ64のサヒーリデッキを見てみると、どのデッキも対策されることを意識していることが分かります。対策への対策を講じたサヒーリデッキが勝ったのは道理と言えます。
・コンボ一本ではないデッキ構成:生物コンボと聞くとサーチと妨害対策が思い浮かびますが、今大会の上位デッキには有事対策や払拭・顕在的防御などでコンボ特化したものは見当たりません。ジェスカイコンはPWやドローソース、カウンターなどで相手に干渉しつつ隙をついてコンボを始動、一方の4CサヒーリはETBカードを数多く採用することでアドバンテージを間断なく取り相手の干渉カードを事前に引き出す構成になっています。
・《ショック/Shock》:新登場カードで堂々の採用数第二位にこぎつけたこのカード。マイナス能力を起動したサヒーリに打つ役割があることに加え、サヒーリ対策であるバリスタ、サリアへの回答になっているため、サヒーリデッキの使うショックは今週のMVPと言えます。
・《先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger》:ジェスカイサヒーリを縁の下から支えた1枚。ルーターでコンボを探しつつ、サリアどころか場に出てしまえば対策が困難な《領事の権限/Authority of the Consuls》にすら触ることができます。エンチャ対策はサイドに《稼働停止/Decommission》が見られますが(断片化でないのは青巨人でFBできるため)、メインから無理なくエンチャント対策できるのはナヒリだけです。
《呪文捕らえ/Spell Queller》、《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend》:4Cサヒーリの生物チョイスにはバリエーションがありますが、注目すべきはこの2種。前者はコンボ同系で相手のコンボパーツに干渉し、後者は相手のエンドに除去の赤・黒マナ、カウンターの青マナを全て寝かせることで安全なコンボ始動を可能にします。サヒーリ霊気池の当たり枠をウラモグではなく深海鬼を選択していたのには脱帽。


④禁止改定の与えた影響
 コンボの冬に思えた今大会でしたが、エムラ、コプター、反射魔導士の禁止によってミッドレンジデッキが復権したのは大きな変化です。PW=ギデオンという定式が揺るがなかった前環境と違い、白緑や黒緑のニッサ、コントロールのジェイス、エネルギーデッキのアーリンコードなど多様なPWの活躍が見られました。また生物も、白緑・黒緑で緑巨人、白系デッキでギセラが採用されており、禁止改定によりオワコン扱いだったカードが再び日の目を見たのは喜ばしいことではないでしょうか。


⑤今週以降のメタの予想

 高速アグロが少数派という大波乱で幕を開けた霊気紛争環境。サヒーリデッキの強さを実認識したプレイヤーはどう動くでしょうか。
 先ずはサヒーリデッキをガンメタしたデッキが出るでしょう。数は少なかったものの、4C機体やエスパーアグロは要注目です。新参入カウンターの《金属の叱責/Metallic Rebuke》はメインから積めるカウンターであり、テンポの良い干渉を可能にします。
 次にサヒーリメタの潮流を先読みした骨太ミッドレンジの登場も予想されます。サヒーリを落とすためにショック4積みになるのならば、その影響を受けづらい黒緑アグロ・高揚、白緑PWは敢えて持ち込むのも一案です。
 最後にデッキタイプとは違う話ですが、構築・プレイングの指針がサヒーリを前提にしたものに変化すると予想されます。サヒーリ対策が必ずしも十分とはいえない黒緑アグロや白緑トークンは、歩行バリスタ、サリアなどの生物に多くを頼っています。採用枚数は多い方が良いでしょうし、それを守るための顕在的防御の採用も検討の価値があります(リシュカーでマナが増えるようになったのも大きい)。それに上述の通り環境の除去がショックに固まると仮定するのなら、ニッサやギデオンはトークン生成ではなく(キルターン的に最善手ではないとしても)マイナスや奥義でバリスタ・サリアのサイズを直ぐに上げるプレイングもこれからは重要になるのではないでしょうか。

 サヒーリは女王の座に君臨し続けるのか。まったく別のデッキが現れるのか。私がMOで30セット投資した霊気貯蔵器+逆説的な結果が高騰する日は来るのか。メタゲームの動向から目が離せません。

コメント

Pokky
2017年1月24日22:46

>ひ
表に書いておくとワンチャン管理人さんの目に留まって機能が追加される可能性が・・・?

M中
2017年1月27日0:04

 とはいえ、バナーやテキストの広告が目に入らないというシンプルさもdiary noteの長所なので、今のままのDNの在り方がベストなのかなあと思っています。
 

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