語源・接辞・語幹のススメ
 受験や資格の勉強で「英単語の暗記」というものがある。だが丸暗記ほど非効率で詰まらないものはない。では、何故語源・接辞・語幹から覚えるべきなのか?

①難しい単語の意味が分かる
 一応mtgブログなのでmtg用語を1つ挙げよう。
anihilate
 これだけ見るとさっぱりだ。だがこの単語は3つに分解できる。
a + nihil + ate
 adはラテン語で方向を意味する。
 nihilは無を意味する。斜に構える人の形容は「ニヒル」だ。
 ateは名詞を動詞化する働きを持つ。
以上3つから「ゼロ」「に」「する」→皆殺しにする、という意味となる。mtg用語では滅殺。
 このようにして、語幹とそれを取り巻く接辞、その両者の語源から知ることで、難しい単語や長い単語が簡単に覚えられるようになる。

②文章読解が速くなる
 目に入った単語を単位ごとに分解し、意味を推測できるようになると、読むスピードが上がる。対応する正確な日本語訳を思い出さずとも、構成要素の持つイメージの連結で意味が通るようになるからだ。「英語を英語のまま理解する」感覚を、ドラゴン桜では「推断」と表現していた。
https://lineblog.me/mitanorifusa/archives/55861904.html
 とはいえ、辞書要らずになる訳ではない。寧ろ、イメージで読むからこそ誤読に陥る危険性はある。industriousとindustrialの違いは?分からなければ辞書を引こう。

③多言語学習の端緒となる
 英語の語源を見てみると、様々な言語が出て来る。これはイギリスの歴史からも理解できる。最初に住み着いたケルト人のゲール語、次にカエサルがガリアへ進出しラテン語が混入。聖書のギリシャ語も混ざれば、ゲルマン民族が侵入しドイツ語も。ノルマンコンクエストによってフランス王朝がイギリスを支配し、マグナカルタまでの200年間はフランス語が公用語となる。
 なので、英語を語源から学べば、その周囲にあるフランス語、スペイン語、ドイツ語などの単語も分かるようになる。「我が闘争」はドイツ語でMein Kampfだが、meinはmy、Kampfはcampusだ。campusは元々平野を意味する。戦場と言えば、平原だ。
 語源が複数あるから、英語には似た語が複数ある。crazyはゲルマン語源、insaneはラテン語源だ。ついでに言えば、接辞も語源で使い分けがされる。"Insane"はあるのに、何故"Unsane"じゃないの?In-もsaneもラテン語源で相性が良いが、Un-はゲルマン語源だからだ。

④楽しい
 結局これに尽きるだろう。”Akeelah and the Bee"という映画で、スペリング大会の家庭教師は生徒にこう伝える。
「語源が分かれば、歴史が分かる。言葉が人生を豊かにする」
 良い大学に入るだの、就活で使うだの、自慢したいだの、動機は何でも良い。けれど、学ぶこと自体を楽しめるようになれば、手段と目的が同一になる。それこそが、至上の幸福であると私は思う。

コメント

ハリー
2018年3月26日22:31

ilyはI Love Youは流石に無理やり感がすごい

M中
2018年3月26日23:21

Fatherだって元はパーテル(Pater)で頭文字Pだし、あーもうめちゃくちゃだよ。

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