アベンジャーズ:エンドゲーム
アベンジャーズ:エンドゲーム
 満員のピカデリーにて鑑賞。

 先ずエンタメとしてかなり高品質。インフィニティ―ウォーはあの通り、アベンジャーズの面々が愛だの犠牲だのぐじぐじ下らん議論して全部後手に回った挙句敗北した。主人公サノスが冷静に(アンチ)ヒーローとしての使命に邁進するための添え物だったのよね。ヒーローものとしてもチームものとしても消化不良だった。
 一方エンドゲームでは指パッチンによる喪失感は最初の30分で終わらせ、インフィニティ―ストーン奪還+事象改変への逆転に打って出る。マーベル復活の嚆矢たる「アイアンマン」がそれまでのヒーロー映画と一線を画していたのはまさにここ。「悩まずジョークを交えて最短最適の行動を取る」。あの空気で以て、「アベンジャーズ」「ソー:ダークワールド」「ガーディアンズオブギャラクシー」をコミカルに、熱くもう一度辿る。

 SFとしては首をかしげる部分はある。タイムトラベルものとして「上書き設定」ではなく「世界線分岐設定」なのは分かった。だからこそロキ・ガモーラ・ビジョンが生き返らないんだよね?ならラストのキャップの顛末は変だよ。キャップが量子ワープをした時点で別の時間軸を生成して歩みだしたのだから、「送り出したアベンジャーズ」が「冷凍されず70年の人生を過ごしたキャップ」を知覚するのはおかしい。それは「上書きタイムトラベル」の領分なのだから。だからあそこを描くなら、「過去に飛んだキャップ」の視点でストーンを基地に返却し、ペギーと幸せに過ごした後で「この世界の」アベンジャーズに会いに行く映像にしなければ。

 ではマーベル映画としては?100億点。流石ルッソ兄弟、オタクの性感帯を心得てますよ。締めのバトルで観たい映像を見せてくれる。「エイジオブウルトロン」で貼った伏線回収が素晴らしい。「高潔な魂の持ち主」キャプテンアメリカが遂にムジョルニアを持ち上げ、サノスに立ち向かう。
 ガントレットをサノスから奪ったスタークの放つ一言が「I’m Ironman」なのも泣かせる。MCU始まりの言葉でアベンジャーズが終わるのだからね。一人は命を捧げ、一人は時を取り戻し、一人は悠久の旅に出る。ビッグ3の退場はこれ以上なく美しい。

 注意が1つ、絶対に字幕で見ること。ストレンジのポータルから指パッチンで塵に還った味方が姿を現す。メインテーマがかかる直前にキャップが言う言葉は、原語で聴かなきゃね。
「Avengers! Assemble.」

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