・ワースト
 文句なしで貞子(2019)
https://magiclazy.diarynote.jp/201905261938192394/

 次点は「ダーク・フェニックス」かな。コンセプトは良いのに腕が壊滅的で駄作になった感じ。
 破滅型サイキック譚のアプローチは2つあって、一つは「AKIRA」や「クロニクル」のように、力の亢進によって性格も破綻していくパターンね。もう一つは「キャリー」や、何だったら「最終兵器彼女」のように、「力は欲しくないのに勝手に暴走する」話。ダークフェニックスはこちらに該当するんだけど、これを盛り上げるには「昨日は何が出来て、今日は何が出来なくなったか」の時々刻々の変化じゃない?それを描くからこそ、「自分が変わっていく焦燥」が出てくる。
 なのにジーンとチャールズがパワーのトレーニングするシーンないんだよね。ありえない。OPクレジットのモンタージュでサクッと済ましたって良い。幼女ジーンの額に手を当てるチャールズのワンカットがあれば脳弄くりの伏線になるし、幼少時の精神訓練の画があれば後々それすら叶わなくなったときに悲哀が増す。「私回りを傷つけたくない」「君を守るためだったんだ」とぎゃあぎゃあ喚いても、最善を尽くしてないヤツの言い訳にしか見えないんだよね。ストーリー提示が不細工な映画でした。

ベスト10
60本くらい見ました。

・七つの会議
https://magiclazy.diarynote.jp/201902032303439485/
 日本でもちゃんと社会派「エンタメ」出来るじゃねえか!

・ミスターグラス
 第二幕での意気阻喪はヒーロー映画のお約束だけど、DCマーベル束になってもエリー博士のあの「憑き物落とし」の5分間ほど恐ろしいものは作れないよ。

・運び屋
10年前の「グラントリノ」で世代と価値観の終焉を描いたイーストウッド自身が「まだ死んじゃいねえよ」とアピールしてくる。それが虚勢や生汚さとは無縁の、恬淡としたタッチだからこそ監督の底力を思い知らされる。

・バイス
 日本で社会的問題(東〇原作のアレとかソレのようなふわっとした作品ではなく、直球のもの)を扱った映画って、ほぼ全てがドキュメンタリー映画で興行収入とは無縁になるのよね。その点、10年前まで世界最大の権力を持った人間を真っ向糾弾する映画で、きちんとエンタメになって、尚且つ客が大入りだって言うんだからやっぱアメリカって国はスゲーわ。日本で「小沢一郎」とか「小泉純一郎」って劇映画絶対作れないでしょ?

・アベンジャーズ:エンドゲーム
https://magiclazy.diarynote.jp/201904280028153711/
 何だかんだシリーズ追ってきた人間として、これはケチつけれない。

・アメリカンアニマルズ
https://magiclazy.diarynote.jp/201905202135076454/
 エンタメとメッセージ性の絶妙なバランス。

実写アラジン
https://magiclazy.diarynote.jp/201906142329528624/
 既に結構褒めたけど、OPの入りも実写版の方が自然なキャラ導入とエキゾチックさを演出できてて抜群に上手いわ。皆も映画館で確かめよう!

ベスト3

・ハロウィン(2018)
https://magiclazy.diarynote.jp/201904122232035316/
 ちょいキャラの描き方が卓越している。バインミー激推しおじさんVSブラウニー自作派の張り込みトークとか、アリソンパパの会話の端々の卑しさとか。ホラーテンプレの類型から外れているからこそ生活感が出る。本当なら恙なく続くはずだった日常が殺人鬼によって切断される「無為さ」こそがスラッシャームービーの醍醐味なんだって改めて思い知らされた。

・スパイダーバース
https://magiclazy.diarynote.jp/201903172300542233/
 アクションで成長と宿命を描く。これぞ2時間の尺の映画でしか出来ないこと。本当に面白いアクション映画見たいなら、これとバーフバリを先ず見よう。

・ギルティ
 誘拐の人質と外部者の通話によるスリラーは「セルラー」があったけれど、こちらは会話のみで進行するからこそ「手が出せないもどかしさ、無力感」が出る。あまつさえその無力感と苛立ちが主人公自身の贖罪への布石になるとはね。スパイダーバースと対局にある、静的な成長の描き方。

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