映画『Fate/stay night[Heaven’s Feel]』Ⅲ.spring songの4D版見てきた
 1章、2章の4Dとの違いとしては、「タメ」や「余韻」の効果があったところですかね。これは最終章ならでは。

 例えば対バーサーカー戦。士郎が左腕の聖骸布を取ってから決着までに3分近い「タメ」があるんですが、ここ、アイドルアニメの4Dライブと同じ構造なんですよ。
ライブの入りというのは
暗闇でイントロ→手拍子が起きて座席の振動が徐々に大きくなる→ライトが座席をさっと渡る映像に合わせて劇場上方で光が瞬く→一瞬無音になり、アイドルが大きく息を呑む音が入る→大音量で歌い出し
という構成になるんですが、今作は
ブラックバックで魔術回路が繋がる演出→暗闇の中で士郎の体がエミヤに順応し始める、梶浦アレンジ”Emiya”のビートが響き始める→「ついて来れるか」問答、暗闇から一転の荒野の心象風景に抜け、一気に明るくなる→投影完了の際BGMが10秒途切れる→ナインライブズ投影しサビ部分に入る
という流れ。通常版に4D機能が加わるので盛り上げがしゅごい。

 もう一点がセイバーに止めを刺すシーン。
倒れ伏すセイバー→土煙の中から士郎が飛び出してのしかかる→「…士郎」の台詞の直後に胸にナイフを突き立てる
これに10秒。スクリーン下部からスモークが焚かれる中、セイバーの亡骸が虚数空間に呑まれるのを見守るのが10秒ほど。この余韻も良いね。今作、全体的にスモーク効果の使い方が上手かった。

 後は冗長な会話シーンにも退屈させない工夫があったね。アインツベルン城への移動、大聖杯の説明にそれぞれ10分尺が割かれるのだけれど、前者は「車の走行を表す振動が続き、街路灯が横切るたび一瞬振動が強くなる」演出が、後者は「通行車が横切るたびの振動、歩道橋を上り空を見上げるカットでは座席が後ろに傾ぐ」演出があり、細かな配慮が感じられた。


https://magiclazy.diarynote.jp/202008202313364863/
 通常版は結構酷評ムードだったんですが、見直せばそこまで言うほどではなかったか…?型月厨としては当然楽しんだし、良いところも沢山あった。
 でも公開直後のあの絶賛ムードはね…逆張り根性もあるけど、「今年最高の映画!」とか言われると…。いや、若草物語とか透明人間とかあったし、アニメでも「ヒックとドラゴン3」の到達度と比べると、ねえ?(余計な一言)

 とはいえ、水物産業といわれる映画産業の中でも更に水物なのが、4D上映という興行形態。基本的に後年の再上映はありえないし、脚本と違って4d指示書は出回らないから後から研究することもままならない。この機会を逃したら世界から失われる文化現象なので、型月ファンは直ぐに!今週末!劇場に行くことをお勧めします。平日レイトショーに対応してる劇場もあるゾ!

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