まだ観ても居ない『劇場版鬼滅の刃 無限列車編』への予防線
2020年10月17日 映画 未見映画予想レビューとか正気?(挨拶)
まあ…期待してないし、多分酷評になると思うので言いたいことは先に(?)済ませよう、の心意気。
①『あのね商法』の可否
TVアニメ鬼滅の刃は昨年春・夏クールに放映され、非常な高評価を受けた作品。全19話26話構成分が「立志編」と題打たれ、今回の劇場版はその直近の続きとなる(だよね?)。
それでは「あのね商法」とは何か。TV放映の本編では話の結末を示さず、有料コンテンツ(DVD特典、劇場版)などへ誘導する商売を指す。テレビ版最終回では鬼側は十二鬼月に、鬼殺隊側は炭治郎に次なる任務が言い渡され、物語が新たに動きだすところで終わる。この絶妙な引きから1年、劇場版が公開されるのだからアニメに熱狂した層は行かざるを得ない。
TVアニメでは出来なかったのか?この疑問に対しては公式は「無限列車編は2期でやるには1クール分に足りず、中途半端な話数になる」と発言している。確かにね。
オリジナルストーリーで劇場版をやるのはどうか?ジャンプ漫画では人気作は大抵オリジナル劇場版を作る(海賊王や火影やワンフォーオール辺り)。だが、これも鬼滅では難しいだろう。先に上げた作品は(その時点では)長寿作品且つゴールデンタイム枠でアニメが放映されている(いた)。一方、鬼滅は現在既に連載が終了している。延々人気作を引き延ばすのはジャンプに限らず漫画業界の悪癖だが、際限なく広がる○○ワールドを派生作品で時間稼ぎをするよりも、悪く言えば「この先閉じていく」コンテンツゆえ原作忠実作品のみに絞るのも、これまた英断と言えよう。
「この先閉じていくコンテンツ」についてもう一つ。映画やアニメは、基本的に制作委員会方式で動く。ここで何よりも重要なのが実績。勿論ufotableはまなびストレート!、空の境界辺りからグイグイ評価されてきたし、原作コミックスも海賊王を超える売り上げ速度を見せている。とはいえ、ここで更に映画も記録的な興行成績を残せば、2期・3期、更なる劇場版の枠をガッチリ確保できることとなる。
怪物コンテンツとはいえ、このペースで作るには最終回の転生エンドが映像化されるのは5年後くらいになるでしょう。その頃に「鬼滅ってオワコンじゃね?」とお偉いさんが判断してしまうと、予算人員がカットされヒッドイ映像になってコンテンツの晩節を汚すこととなる東京喰種の有様見てみろよオイ!。
だから劇場版鬼滅の刃は、作り手側も、我々観客にとってもwin-winな方策!オールOK!馬鹿ガキとバカ親が平日朝イチ休んで劇場詰めかけたり、シネコンが制限取っ払って客席100%解放したらしいけど、許す!!!映画業界ヤバいんだから許せ!!!
②台詞でしゃべっちゃう問題
はい、ここから予想酷評始めます。
https://kimetsu.com/anime/trailer/
特報見た時に「これ期待できねえわ!」と思った一番の要素。台詞で全部ウタい過ぎちゃう??
Fate HF3章酷評した時にも言ったんですが、
https://magiclazy.diarynote.jp/202008202313364863/
僕は「映像ならではの表現をしてこその映画であり、台詞で感情や思考をダダ流しにするのはダメ」だと考えている。TVアニメならまだ良い。媒体として流し見前提のメディアだし、限られた予算且つ長尺のシリーズになるのだから会話パートが発生するのも仕方ない。しかし映画は暗闇に押し込められ、観客は画面に全集中する。加え、2時間と時間が限られている以上取捨選択が必要になる。それなのに、台詞でダラダラ心情吐露されると…飽きるんすよ。
③神作画=良い劇場アニメなのか?
ufotableはバトルシーンの作画クオリティに定評があります。きっと劇場版でも、あの絶賛されたテレビ版を凌ぐ美麗なバトルが展開されるんでしょう。でも、劇場アニメの感動ってそこだけにあるのかな?
24分単位が連続するテレビアニメと違い、劇場アニメは2時間の中で区切りがありません。意識が持続するため、映画序盤に出てきた演出が、違う意味で繰り返されると観客はそれに気づいて感動出来るんですよ。このブログで散々言ってきた「反復と変化」ですね。繰り返しになりますが、HF3章にはそれがなかった。
では、無限列車編における反復と変化は何か。小さい単位では、「悪夢シーンの繰り返し」が予想されます。無限列車編では、人を悪夢に閉じ込める鬼、魘夢が登場する。原作でも炭治郎は、一旦悪夢から醒めるも次の瞬間には再度閉じ込められる展開がある。時間を空けるにせよ、瞬間瞬間の変化にせよ、ループ構造である以上、「反復と変化」の使い所だよね。ここ、台詞じゃなくて、演出できっちり見せて欲しいよね~(見てない段階での願望)。
④大きな単位での「反復と変化」:炭治郎たちの成長
公式サイトの登場人物一覧にはないですが、原作7・8巻の映像化であること、twitterの「号泣した」反応を見る感じ、きっと真ボス、猗窩座ニキが第3幕で登場する筈。
こいつ、鬼滅前半のトラウマキャラなんですわ。強敵魘夢を何とか倒したところで登場、圧倒的暴力で味方側は瞬殺され、煉獄パイセンが命と引き換えに夜が明けるまでに凌ぎ切るので手一杯。炭治郎らは己の無力さに紅涙を絞り、強くなることを決意する…という凄絶な終わり方を迎える。
さて、劇場版。先述しましたが、映画は「一続きであることが重要」な媒体です。なので、大きな単位での「反復と変化」を、劇場版鬼滅でも出して欲しい。具体的には「破滅の予兆」「ぬか喜び」「破滅の本番」の3つです。
一つ目、破滅の予兆について。煉獄パイセンは12柱の一人だけあって、勿論炭次郎、善逸、伊之助より圧倒的に強いです。なので、直接的な力量差を示す必要はない。ただ、序盤のちょっとしたシーンで、「自分の至らなさで、煉獄パイセンに迷惑をかける」展開が欲しい。アニオリで、雑魚鬼を討伐するバトルを冒頭に入れても良い。伊之助や善逸が列車でゴネたりして、パイセンがそれを丸く収めるコミカルシーンでも良い。とにかく、炭治郎が「パイセンは凄いなあ、迷惑かけたなあ、俺も追いつかなくちゃ」と軽い気持ちで自戒して欲しい。それがあれば、猗窩座戦で敵味方の一騎打ち展開になり、自分では助力になりもしないことで主人公の懊悩が増す。
二つ目、ぬか喜び。中ボス倒してバカ騒ぎをする必要はないです。でも魘夢を倒す際に主人公3人がしたコンビネーションやらが、猗窩座ニキには通じない演出があれば、絶望が増しますよね。
3つ目、破滅の本番。これは前述した予兆、ぬか喜びの伏線回収ですね。伏線回収ではあるけれど、変な回想カットバックを入れず、構図や音楽で「これ序盤の再現やん!」と思わせてくれる再帰演出が欲しいところです。
駄文書き連ねてきましたが、鬼滅劇場版の予想をします。
・台詞だらだら
・作画クオリティ自体は高い
・反復と変化はない
この3点!
勿論ね、僕だって神映画であってほしいですよ!シネコン行くも席取れずに不貞腐れて駄日記書くのは不健康ですよ!「本年度ナンバーワン映画や…」と感涙に咽びながら劇場を出たい。
来週末までには観に行って本感想を書く予定です。次回の更新がクソみたいな長文なら絶賛、「予想通りだったわ…」の一言なら酷評となります。
まあ…期待してないし、多分酷評になると思うので言いたいことは先に(?)済ませよう、の心意気。
①『あのね商法』の可否
TVアニメ鬼滅の刃は昨年春・夏クールに放映され、非常な高評価を受けた作品。全
それでは「あのね商法」とは何か。TV放映の本編では話の結末を示さず、有料コンテンツ(DVD特典、劇場版)などへ誘導する商売を指す。テレビ版最終回では鬼側は十二鬼月に、鬼殺隊側は炭治郎に次なる任務が言い渡され、物語が新たに動きだすところで終わる。この絶妙な引きから1年、劇場版が公開されるのだからアニメに熱狂した層は行かざるを得ない。
TVアニメでは出来なかったのか?この疑問に対しては公式は「無限列車編は2期でやるには1クール分に足りず、中途半端な話数になる」と発言している。確かにね。
オリジナルストーリーで劇場版をやるのはどうか?ジャンプ漫画では人気作は大抵オリジナル劇場版を作る(海賊王や火影やワンフォーオール辺り)。だが、これも鬼滅では難しいだろう。先に上げた作品は(その時点では)長寿作品且つゴールデンタイム枠でアニメが放映されている(いた)。一方、鬼滅は現在既に連載が終了している。延々人気作を引き延ばすのはジャンプに限らず漫画業界の悪癖だが、際限なく広がる○○ワールドを派生作品で時間稼ぎをするよりも、悪く言えば「この先閉じていく」コンテンツゆえ原作忠実作品のみに絞るのも、これまた英断と言えよう。
「この先閉じていくコンテンツ」についてもう一つ。映画やアニメは、基本的に制作委員会方式で動く。ここで何よりも重要なのが実績。勿論ufotableはまなびストレート!、空の境界辺りからグイグイ評価されてきたし、原作コミックスも海賊王を超える売り上げ速度を見せている。とはいえ、ここで更に映画も記録的な興行成績を残せば、2期・3期、更なる劇場版の枠をガッチリ確保できることとなる。
怪物コンテンツとはいえ、このペースで作るには最終回の転生エンドが映像化されるのは5年後くらいになるでしょう。その頃に「鬼滅ってオワコンじゃね?」とお偉いさんが判断してしまうと、予算人員がカットされヒッドイ映像になってコンテンツの晩節を汚すこととなる
だから劇場版鬼滅の刃は、作り手側も、我々観客にとってもwin-winな方策!オールOK!馬鹿ガキとバカ親が平日朝イチ休んで劇場詰めかけたり、シネコンが制限取っ払って客席100%解放したらしいけど、許す!!!映画業界ヤバいんだから許せ!!!
②台詞でしゃべっちゃう問題
はい、ここから予想酷評始めます。
https://kimetsu.com/anime/trailer/
特報見た時に「これ期待できねえわ!」と思った一番の要素。台詞で全部ウタい過ぎちゃう??
Fate HF3章酷評した時にも言ったんですが、
https://magiclazy.diarynote.jp/202008202313364863/
僕は「映像ならではの表現をしてこその映画であり、台詞で感情や思考をダダ流しにするのはダメ」だと考えている。TVアニメならまだ良い。媒体として流し見前提のメディアだし、限られた予算且つ長尺のシリーズになるのだから会話パートが発生するのも仕方ない。しかし映画は暗闇に押し込められ、観客は画面に全集中する。加え、2時間と時間が限られている以上取捨選択が必要になる。それなのに、台詞でダラダラ心情吐露されると…飽きるんすよ。
③神作画=良い劇場アニメなのか?
ufotableはバトルシーンの作画クオリティに定評があります。きっと劇場版でも、あの絶賛されたテレビ版を凌ぐ美麗なバトルが展開されるんでしょう。でも、劇場アニメの感動ってそこだけにあるのかな?
24分単位が連続するテレビアニメと違い、劇場アニメは2時間の中で区切りがありません。意識が持続するため、映画序盤に出てきた演出が、違う意味で繰り返されると観客はそれに気づいて感動出来るんですよ。このブログで散々言ってきた「反復と変化」ですね。繰り返しになりますが、HF3章にはそれがなかった。
では、無限列車編における反復と変化は何か。小さい単位では、「悪夢シーンの繰り返し」が予想されます。無限列車編では、人を悪夢に閉じ込める鬼、魘夢が登場する。原作でも炭治郎は、一旦悪夢から醒めるも次の瞬間には再度閉じ込められる展開がある。時間を空けるにせよ、瞬間瞬間の変化にせよ、ループ構造である以上、「反復と変化」の使い所だよね。ここ、台詞じゃなくて、演出できっちり見せて欲しいよね~(見てない段階での願望)。
④大きな単位での「反復と変化」:炭治郎たちの成長
公式サイトの登場人物一覧にはないですが、原作7・8巻の映像化であること、twitterの「号泣した」反応を見る感じ、きっと真ボス、猗窩座ニキが第3幕で登場する筈。
こいつ、鬼滅前半のトラウマキャラなんですわ。強敵魘夢を何とか倒したところで登場、圧倒的暴力で味方側は瞬殺され、煉獄パイセンが命と引き換えに夜が明けるまでに凌ぎ切るので手一杯。炭治郎らは己の無力さに紅涙を絞り、強くなることを決意する…という凄絶な終わり方を迎える。
さて、劇場版。先述しましたが、映画は「一続きであることが重要」な媒体です。なので、大きな単位での「反復と変化」を、劇場版鬼滅でも出して欲しい。具体的には「破滅の予兆」「ぬか喜び」「破滅の本番」の3つです。
一つ目、破滅の予兆について。煉獄パイセンは12柱の一人だけあって、勿論炭次郎、善逸、伊之助より圧倒的に強いです。なので、直接的な力量差を示す必要はない。ただ、序盤のちょっとしたシーンで、「自分の至らなさで、煉獄パイセンに迷惑をかける」展開が欲しい。アニオリで、雑魚鬼を討伐するバトルを冒頭に入れても良い。伊之助や善逸が列車でゴネたりして、パイセンがそれを丸く収めるコミカルシーンでも良い。とにかく、炭治郎が「パイセンは凄いなあ、迷惑かけたなあ、俺も追いつかなくちゃ」と軽い気持ちで自戒して欲しい。それがあれば、猗窩座戦で敵味方の一騎打ち展開になり、自分では助力になりもしないことで主人公の懊悩が増す。
二つ目、ぬか喜び。中ボス倒してバカ騒ぎをする必要はないです。でも魘夢を倒す際に主人公3人がしたコンビネーションやらが、猗窩座ニキには通じない演出があれば、絶望が増しますよね。
3つ目、破滅の本番。これは前述した予兆、ぬか喜びの伏線回収ですね。伏線回収ではあるけれど、変な回想カットバックを入れず、構図や音楽で「これ序盤の再現やん!」と思わせてくれる再帰演出が欲しいところです。
駄文書き連ねてきましたが、鬼滅劇場版の予想をします。
・台詞だらだら
・作画クオリティ自体は高い
・反復と変化はない
この3点!
勿論ね、僕だって神映画であってほしいですよ!シネコン行くも席取れずに不貞腐れて駄日記書くのは不健康ですよ!「本年度ナンバーワン映画や…」と感涙に咽びながら劇場を出たい。
来週末までには観に行って本感想を書く予定です。次回の更新がクソみたいな長文なら絶賛、「予想通りだったわ…」の一言なら酷評となります。
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