コロナ禍で映画館に行く回数が激減(当社比)し、PC上で映画を観る時間が増えました。第一波から年末までの9か月間に数十本観たので、その中でとりわけ印象に残った作品を紹介していきます。
 ぼかぁ陰キャこじらせ系オタクなので、人間性の近しい方だけ画面スクロールどうぞ。



①カンフーパンダ
棚:旧作・海外アニメ(ドリームワークス)
粗筋:食いしん坊パンダが強みを活かしてカンフーマスターに

 神。神アニメ。
 宿命や因果関係、熟達や人間的成長をアクションシーンの中だけで見事に描き切る。ムゲンレッシャノサクガガーとか言ってる鬼滅キッズはこれ見て?これこそ優れた「アクション映画」やぞ???
 今作の独自性を挙げるなら、ラストバトルの多幸感かな。前哨戦が稲光と豪雨のただ中だったところから一転、陽光燦々と降り注ぐ下でのハイスピードバトルが展開される。閉塞と解放の対比、映画序盤のへっぽこぶりを全て回収していく伏線の周到さ。これぞ映画の楽しさ。


②サマーオブ84
棚:準新作(ホラー系統)
粗筋:「殺人鬼だって誰かの隣人だ。」
 前にも紹介したので読んでみてね。
https://magiclazy.diarynote.jp/202007251630441491/


③ブラッククリスマス
棚:準新作(ホラー系統)
粗筋:ヤリチンをやり込めたらブチギレて殺りに来た

 この前評した「ザ・ハント」
https://magiclazy.diarynote.jp/202011100043418635/
と同じく、ブラムハウス制作の風刺ホラー。どちらにも通底しているのが、「保守派の時代遅れは前提としながらも、リベラル側の狭量さもしっかりとらえている」ところ。
 そりゃ、男性優位主義は論外ですよ?でも、差別主義者を人生破滅させるほど糾弾したり、それをやんわり静止しようとする穏健派に「お前も屑か!」とレッテル貼りして噛みつくのも、間違いなく異常。人種・性差・性的マイノリティーに関わるポリコレヒステリーと、「弱者側は絶対的に正しい」という(非常に意地の悪い言い方ですが)被害者しぐさの流行。BLM暴動に感じた気持ち悪さを代弁してくれるような一作。
 あ、もちろんクソ男は全員ぶっ殺し返すエンドなので、そこはご安心を(ネタバレ)。

 …とはいえ、不満もあって。「正体不明の殺人鬼」ならまだしも、真相が明かされて以降は、男が女を殺す理由が却って分からなくなる。「無敵の男根パワーで世界を支配するのだ!」…いや、だからって手当たり次第女性殺し尽くしたら、男も生まれて来なくなるのでは?少数の女性を家畜化するとか、男同士で生殖が可能になるだとか、トンデモで良いから理屈つけてよ?
 社会風刺は良いのに、ジャンル的な完成度がイマイチなのはやっぱりブラムハウス映画。もはや愛嬌か?


④EXIT
棚:準新作(韓国映画)
粗筋:上へ上へと毒ガスから逃げきれ!
「数ブロック区画に広がる割に、それ以後は拡散しない即死毒ガス」「一定時間だけ使える防毒マスク+防護服」という圧倒的に都合の良いゲーム的設定を許せるかどうか。許せた僕はめちゃくちゃ楽しめました。

 その場の空間+周囲の小物を活かした「ありあわせアクション」、タイムリミットサスペンス、人生再帰もの、とジャンルミックスをしながらハイスピードに物語が進む。
 アクションはどれもスリルとユーモアに満ちていて楽しいんだけど、白眉はやっぱり「ジップライン」の場面だね。ビル群の間を抜けていきたいが、普通に行ったら時間切れ。しかし名もなき市民達の助けによって、すっ…と一本筋の活路が浮かび上がって来る…。多分これ、「アメイジングスパイダーマン1」のオマージュなんだけど、
https://www.youtube.com/watch?v=o_JzihiWvlQ&ab_channel=REDLionMovieShorts
ドローンとソーシャルメディアを活用した、まさに現代ならではのアクション。「いくら運搬用ドローンでも、数十メートル分のロープ過重は耐えなくね?」なんて気にするな!!

 この映画への批判点として、序盤のもたつきを指定する声もある。でも、韓国と同じく儒教的家父長文化の沁みついた日本人だからこそ、共感できると思うんですよね。親戚間にある「序列感覚」を延々見せられるからこそ、ダメ男が危機を通じて自己の尊厳を取り戻す姿に感動出来る。





 次回に続きます。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年4月  >>
303112345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930123

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索