〇ベスト10
・聖なる犯罪者
 机の引き出しで金玉絞り上げる拷問、って映像で初めて見たかも。感動した。
 …冗談は兎も角、「ヤクザと家族」の上位互換といえる一作。アウトローの壮絶な過去、暴力と純粋さが両立するパーソナリティー、受刑経験を活かしたお仕事映画のディティール、更生のカタルシスと転落のサスペンス、そして犯した罪との対峙…。
 宗教的なメタファーを数多く持ちながらも、純粋にエンタメとして楽しめる。R18+だけどこれこそ広く見られるべき映画。

・ミナリ
 ジムジャームッシュ作品とか、グレタガーウィグの「レディバード」のように、何気ない日常の一コマ一コマが瑞々しい。この監督がハリウッド版「君の名は。」撮るっていうのは納得だわ。絶対上手く行く。

・花束みたいな恋をした
 恋愛模様についてはピクリとも来なかったが、サブカル若者のディティールの拾い方が神がかってる。
 時代を切り取るものって、80’ノスタルジーであったり広い時代を切り取ることが多い。一方今作は十年代後半の5年だけ、それもポップシーンから一歩引いて(しかもネット文化は一切触れずに)リアリティを生み出している。脚本家の観察眼が凄まじいね。監督より、ダブル主演よりもパンフでインタビューが厚かった理由が良く分かるわ。

・騙し絵の牙
https://magiclazy.diarynote.jp/202104152343489958/
 普通に面白い。それがどれだけ難しいか。

・21ブリッジ
 逃走・追走劇を時間軸・空間軸両面で丁寧に追っていて、脚本構成が並外れて上手い。
 夜半に事件発生し、夜明け前までに解決するというスピード感も良いね。警官汚職ものでありながら、割と敵側のポカや強引さで自滅していく点もそこで緩和出来ている。

・ジェントルメン
 すっかり大作監督になったガイ・リッチーが、まさか初期作品のようなコックニークライム作品に戻ってくれるとは!ラストの伏線回収がぶっちゃけ雑なんだけど(本編になかった映像を付けたしてるので)、ドンデン返し+アクションのつるべ撃ちの御蔭で不思議な多幸感に満たされる。こういう勢い…嫌いじゃない。

・アオラレ
 前半部で「主人公のストレスを示すアイテム」だったものが、後半で物語を動かすアイテムとして別の機能を持って来る。この伏線脚本が先ず見事。
 それに「無敵の人」を殺人鬼に持って来る設定も良いね。話は通じる、悪知恵も利く。でも保身のブレーキだけは完全にぶっ壊れてるから、人前でも平気で人を殺し出す。
 原題"Unhinged"は「イカれる」「扉の蝶番を壊す」のダブルミーニングを持った良いタイトルなんだけど、日本版のB級ド直球センスも好き。 


ベスト3
・ファーザー
 アルツハイマー映画で「狂っていく様を外から眺める」のではなく、「当事者視点」で描き出したのは凄いね。頭が壊れて周囲とコミュニケーションが取れなくなるのではなく、「認知出来る外側の世界が壊れるからこそ、話が出来なくなる」という悲哀。ラスト10分、何とか正気を繋ぎとめようとした彼が最後に縋るものがね…不憫でね…。

・映画大好きポンポさん
https://magiclazy.diarynote.jp/202106110252029046/
CMの「たーとーえーばー」って曲、そういえば本編では使われてなかったな??
 名作です。

・素晴らしき世界
https://magiclazy.diarynote.jp/202103100151575242/
 堪んねえわあのラスト。



 上半期はこんな感じでした。下半期も生きてたら映画見続けたいな。

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